インターネット通販を利用して買い物をした経験がある人は多いと思います。通販では、実際に商品を手に取って吟味できませんが、ネットショップの各種情報を参考にすれば、どの商品がどのような機能を有しているのか、おおよその見当がつきます。
そして、最近では、実際に商品を購入した人の口コミ情報を読めるネットショップもあり、口コミの数が多い商品ほど、ユーザーの満足度や使用感を知ることができます。しかし、どんなにたくさんの口コミがあっても、それだけを参考にして商品を注文する人はいないはずです。
株式投資における口コミは株価
株式投資でも、口コミと同じような情報を得ることができます。それは、株価チャートを見ることです。
株価チャートが右肩上がりになっている場合は、株価が上昇していることを意味します。それは、すなわち、多くの投資家がその銘柄の将来性が有望だと判断していることになります。
商品の口コミも多ければ多いほど、評価が高ければ高いほど、その商品に満足している人が多いことを意味しているので、良い商品なのだと推測できます。しかし、どんなに高評価の口コミが多い商品でも、その商品が自分にとって必要な物でなければ無駄な買い物になります。無駄な買い物をしないためには、他人の評価である口コミよりも、先に商品の機能をチェックして自分が求めている商品かどうかを確認しなければなりません。
口コミで高評価の掃除機があっても、自分が洗濯機が必要なら掃除機を買いません。
まず財務諸表を見る
株式投資の際は、まず財務諸表を見て財政状態や経営成績がどうなっているのかを確認します。そして、将来性のありそうな企業だと判断できた場合に株式を取得するかどうかを決定します。
つまり、株価チャートを見るのは、財務諸表分析を終えた後なのです。財務諸表を見て将来性があると判断できても、株価が低迷していることがあります。その場合には、なぜ株価が低迷しているのかを調べなければなりません。
その企業の属する業界全体が元気がなく将来性がないのかもしれません。その業界だけでなく、為替相場の影響で日本の株式市場全体が低迷しているのかもしれません。
理由は様々あるでしょう。
しかし、どんなに株価チャートを見たところで、その企業の実力を把握することはできません。それは、口コミだけでは商品の性能を理解できないのと同じです。
口コミだけを見て買い物をするのが変だとわかれば、株価チャートだけを見て株式投資をすることがおかしなことだと気付くでしょう。