株価変動の法則性を信用できるか

株価の変動には法則性があると主張する人がいます。普通に考えれば、株価の変動に法則性があるわけないとわかります。でも、投資の必勝法を追い求めている人は、株価変動に法則性があると言われると信じてしまうようです。

企業収益に法則性があるのか考える

株価変動に法則性があるかどうかは、企業の売上や利益が何らかの法則によって計上されると言っているのと同じです。なぜなら、株価は、企業の経営成績や財政状態を基にして決まるからです。

株価が一定期間下がり続けると、その後、右肩上がりに上昇を続ける法則があると言う人がいたとしましょう。これは、別の見方をすると、企業の売上が一定期間減り続けると、その後、右肩上がりに上昇を続ける法則があると言っているようなものです。

企業は、売上が減っていれば何らかの対応をしないと売上を増やすことはできません。製品改良、新製品の開発、販売価格の見直し、原価の引き下げなど、様々な努力をすることで売上が伸び利益が改善され、その結果として、企業価値が高まり株価も上昇するのです。

一定期間売上が減り続けているのに何も手当をしなければ売上は今後も伸びません。それなのに株価が上昇すると言うのはおかしいですよね。

株価変動の法則性は後付けの理論

株価変動に何らかの法則性があるというのは、後から株価の動きを見てこじつけた法則であり、それが将来の株価変動に当てはまるかどうかは別の問題です。

現在から過去を振り返れば、株価の動きに何らかの共通点を見つけることはできます。業績の悪い企業であっても、株価がじわじわ下がっている局面で一時的に上昇に転じた場面を見つけ出せます。

それを見て、株価の変動には法則性があると言っているだけです。

株式投資をしているのに財務諸表を見ない人は、こういうことを信じてしまいます。個々の企業の財務諸表を見て、企業業績を把握できる人であれば、株価変動の法則性を知ろうとは思わないはずですし、そのような物はないとわかっているはずです。