1日の営業利益以上に株価が上がると思うな

企業価値は、その企業の純資産を時価評価した価額です。そして、純資産は、その企業が利益を上げることで増加します。

つまり、企業価値の増加は、その企業が獲得する利益と深く関係しているのです。

利益を大幅に超える株価上昇

例えば、1年間の当期純利益が1億円であれば、企業価値も1億円増えます。企業価値を発行済株式総数で除した値が株価となるので、当期純利益1億円を発行済株式総数で除した1株当たり当期純利益だけ、1年間で株価が上昇します。

ただし、先ほども述べましたが純資産を時価評価した価額が企業価値となるので、当期純利益1億円と1年間の企業価値の上昇額がぴったり一致することはありません。

しかし、1株当たり当期純利益を大幅に超えて株価が上昇している場合には、その企業の株価は過大評価されている可能性があります。

1日当たりの営業利益から大幅にずれる株価変動

株式市場では、特定の銘柄の株価が大きく動くことがあります。上昇することもあれば下降することもあります。

仮に上昇する場合、その上昇の上限はどれくらいなのでしょうか?

ストップ高をないものとすれば、その企業の当期純利益を365日で除した額以上に上昇するのは変です。1日当たりの営業利益を大幅に超えるような株価の上昇は明らかにおかしいと思わなければなりません。

もしも、株価の上昇が1日当たりの営業利益を大幅に超えている場合には、どこかの時点で下落し始める危険があります。投資家全員が株価チャートだけを見て株式取引をしているわけではないですからね。しっかりと財務分析できる投資家であれば、そのような株式をある時点で売却するはずです。

企業が獲得した利益以上の分け前を株主は得られないのですから、それを理解していれば利益を大幅に超える株価の上昇はおかしいとわかります。