株式投資での儲けの上限は企業が獲得する利益

ある企業の株式に投資した場合、最大でどのくらい儲けられるのかを知りたくなるのは投資家の心情です。

損するとわかっている株式を取得する投資家はいません。また、儲かる株式でも、投資家によってどの程度の利益を得たいのかは違ってきますから、誰でも満足できる利益を得られる銘柄は存在しません。

成長企業と安定企業

株式取引をする投資家の儲けは、企業の成長性にかかっていると言えます。

毎年、売上と利益を倍々で増やしていく企業であれば、多くの投資家が魅力を感じるでしょう。しかし、成熟産業に属する企業だと、売上も利益も前年比でほとんど変化がないので、安定はしていますが成長性は期待できず、安定性に魅力を感じる投資家と成長性に魅力を感じない投資家にわかれるでしょう。

成長性のある企業の株式に投資した場合、その企業が成長を続けている間は、株価がグングンと上がっていくので大きく儲けれる可能性があります。しかし、その成長は一時的なブームの可能性がありますから、もしかすると、ある時いきなり売上や利益が減少し始め、株価も下落し始める危険があります。

一方の成熟産業に属する企業の株式だと、急激な成長は見込めなくても収益性が急に悪くなる危険性は低いです。したがって、安全性を重視する投資家は、こちらの株式に投資する傾向があります。

このように成長性と安定性のどちらを好むかは、投資家によって異なります。

企業の利益までしか投資家は儲けられない

株式投資で大きく儲けたいのであれば、成長産業に属する企業の株式に投資しなければなりません。

そういう企業の株式であれば、1年程度で株価が数倍に上がることもあります。しかし、ここで知っておかなければならないのは、株主が得られる利益は、投資先企業の存続期間に獲得した利益の合計額が上限になるということです。

例えば、ある企業が30年間存続し、その間に獲得した利益の合計が1,000億円であれば、株主が30年間に得られる儲けも1,000億円が上限になります。発行済株式総数が1百万株であれば、1株当たり10万円が株式投資で得られる儲けです。

1株の発行価額が5万円だった場合には、最大株価は1株当たりの利益合計額10万円を発行価額に加算した15万円になりますから、これ以上に株価が上がることは理論的にあり得ません。

しかし、株価チャートだけを見て株式投資をする投資家ばかりが、この株式に投資していたら株価は15万円を超えることがあります。この場合は、明らかに株価が過大評価されています。

過大評価された状況で、この企業が解散した場合、もしも配当を過去に一度も支払っていなければ、残余財産の分配は1株につき15万円です。20万円で株式を取得していれば5万円の損失です。

結局、投資家が株式投資で得られる儲けは、投資先企業の存続期間に獲得した利益に限定されるのです。