株式取引の初心者には、株価チャートの動きから、どの株式を買いどの株式を売るのか判断するテクニカル分析がおすすめだと言う人がいます。テクニカル分析は、企業のことを知らなくても、経済の動きを知らなくても、株価チャートだけを見て株の売買をしますから、誰でも簡単に始められます。
しかし、株初心者がテクニカル分析から始めるから、株式投資で失敗する人が後を絶たないのです。
価値判断を他人に委ねている
テクニカル分析は、株価チャートの動きを見て株式の売買を行うので、買いだとか売りだとかの判断は、他の投資家が売ったり買ったりして動いた株価に基づきます。それは、つまり、他人がこの株式を買ったから自分も買うのだと言っているのと同じです。
目に見えない誰かの行動の結果をすぐに信用するのは変ではないですか?
もしかしたら、あなたと同じ多くの株初心者が、偶然、同じタイミングで株式を取得したから株価が上がったのかもしれないのです。もちろん、機関投資家のような金融のプロが何らかの根拠に基づいて株式を取得した場合には、その銘柄は将来性があるかもしれません。しかし、それを株価チャートから見きることができるのでしょうか?
テクニカル分析は、株価チャートから売買の根拠を探り出す投資手法である以上、他人に価値判断を依存していることになります。
自分で企業価値を把握できるようになることが大切
株式投資を始めるのであれば、自分の力で、その企業の価値を把握できるようにならなければなりません。これは、他人に投資の価値判断を委ねないことと同義です。
企業価値が1株当たり30万円だと把握できれば、株式が40万円で取引されていると割高だと判断できます。20万円で取引されていれば割安だと判断できます。
このように株価が割高か割安かを判断する材料は様々ありますが、特に重要なのが企業の財務諸表です。財務諸表が理解できないのに株式投資をするのは、運任せの投資でしかありません。
株初心者がテクニカル分析だけで株式投資を始めるのは、運任せで大金を賭けるギャンブルと同じです。株初心者だからこそ、本来、テクニカル分析をやってはいけないのです。