個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入を決めたら、どの運営管理機関(金融機関)に問い合わせをするかを決めなければなりません。
iDeCoの掛金は、運営管理機関に支払いますし、加入中は運営管理機関のサービスを受けます。また、老齢給付金を受け取る際も、運営管理機関に必要書類を提出しますから、加入時に決めた運営管理機関とは、長期の付き合いとなります。
iDeCoの運営管理機関はたくさんありますが、全ての運営管理機関で手数料が一律になっているわけではありません。手数料が安い運営管理機関もあれば、高い運営管理機関もありますから、事前にしっかりと確認してから、どの運営管理機関を選ぶか決めたいですね。
手数料は大きく2種類
iDeCoに加入した時に負担しなければならない手数料は、大きく分けて2種類あります。
1つは、口座開設時に一度だけ発生する口座開設手数料です。そして、もう1つは、iDeCoに加入中、継続的に発生する口座管理料です。
口座開設手数料
口座開設手数料は、国民年金基金連合会に支払う手数料と運営管理機関に支払う手数料の2種類があります。
国民年金基金連合会に支払う手数料は、どの運営管理機関でも一律2,829円です。
一方の運営管理機関に支払う手数料は、各運営管理機関で異なりますが、ほとんどがゼロです。
したがって、口座開設手数料は、国民年金基金連合会に支払う2,829円だけで済むことが多いです。
口座管理料
口座管理料には、国民年金基金連合会に支払う手数料、事務委託先金融機関に支払う手数料、運営管理機関に支払う手数料があります。
国民年金基金連合会に支払う手数料
国民年金基金連合会には、掛金を拠出するたびに105円を支払わなければなりません。毎月拠出すれば年間1,260円かかりますが、年1回の拠出であれば年間105円だけで済みます。
なお、国民年金基金連合会に支払う手数料は、どの運営管理機関でも同じです。
事務委託先金融機関に支払う手数料
事務委託先金融機関とは、国民年金基金連合会から委託を受けて、個人別管理資産を管理する信託会社のことです。運営管理機関とは別の会社であり、個人別に資産残高を管理記録し、運用指図の取りまとめを行っています。
事務委託先金融機関には、毎年792円の手数料を支払います。どの運営管理機関であっても一律です。
運営管理機関に支払う手数料
運営管理機関に支払う手数料は、運営管理機関によって異なります。
多くの運営管理機関がゼロですが、中には年間3,000円以上の手数料を支払わなければならないところもあります。
手数料が安い運営管理機関を選ぶ
iDeCoの加入時や加入中に発生する手数料は、どの運営管理機関を選んでも同じ場合が多いです。
しかし、口座管理料については、運営管理機関に支払う手数料に違いがあります。
したがって、手数料の負担を少なくするなら、運営管理機関に支払う口座管理料が無料のところを選ぶべきです。
ただし、加入中に支払わなければならない手数料は、これだけではありません。
掛金を投資信託で運用する場合は、投資信託の保有中にかかる信託報酬と投資信託の解約時に係る信託財産留保額の2種類の手数料も負担しなければならないことを忘れてはいけません。
信託報酬や信託財産留保額は、運営管理機関が取り扱っている投資信託の種類によって違いがあります。そのため、運営管理機関を選ぶ際には、これらの手数料が安いところを選ぶことも重要となります。
iDeCoの運営管理機関になっている金融機関はたくさんあり、ホームページを開設しているところも多いですから、まずは複数の運営管理機関のホームページを見て、手数料の違いを確認してから加入申込をしましょう。