個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は1年分まとめて拠出可能

公的年金の受給額に上乗せ手して、老後資金を増やせる個人型確定拠出年金(iDeCo)は、毎月5,000円の掛金拠出から始められます。

月々5,000円であれば無理なく始められるので、今後は、iDeCoに加入して年金を増やす人が増えてくると思います。

その毎月の掛金の拠出なのですが、掛金を拠出するたびに国民年金基金連合会に103円の手数料を支払わなければなりません。微々たる手数料ですが、年間だと1,296円になり、20年加入した場合は25,920円の負担となりますからバカにできません。

1年分をまとめて拠出すると手数料を節約できる

iDeCoの掛金の支払いは、毎月定額払いの他に月ごとに拠出金額を決める年単位拠出も認められています。

年単位拠出を選択する場合は、事前に「加入者月別掛金登録・変更届」をiDeCoの加入申込をした金融機関(運営管理機関)に提出しなければなりません。

年単位拠出は、毎月定額ではなく、月別に拠出額を自分で指定して掛金を支払う方法です。

例えば、企業年金のない会社員だと、毎月23,000円、年間276,000円が掛金拠出の限度額となります。毎月定額払いであれば、23,000円ずつ掛金を支払うことになりますが、年単位拠出を選択すると、どの月にどれだけ拠出するかを自由に決められます。

1月は10,000円、2月は30,000円などといった具合ですね。ボーナス月には多めに拠出することもできます。

年単位拠出を選択するのであれば、掛金の拠出回数を少なくした方が、国民年金基金連合会に支払う手数料を節約できるのでお得です。夏のボーナスの時に一括で276,000円を支払うのもありです。そうすれば、手数料は年間103円だけしか負担しなくて済みます。

ドルコスト平均法のメリットを捨てることになる

ただし、年単位拠出を選択し、一括で1年分の掛金を拠出した場合、ドルコスト平均法のメリットを捨てることになります。

ドルコスト平均法は、投資信託など時価の変動がある金融商品を買う場合、毎月一定額を投資する方法です。

先の例であれば、毎月23,000円の掛金を拠出して投資信託を買うことになります。

ドルコスト平均法で投資信託を買う場合、時価が割安な時に多くの口数を買い、時価が割高な時には買い控えることになるので、購入した投資信託の平均取得単価を引き下げる効果があります。

例えば、1月の時価が2,300円だった場合には10口買い、2月の時価が4,600円だった場合には5口を買います。そうすると、15口の投資信託を買うことになりますが、その場合の平均取得単価は、3,067円になります。

  • (2,300円×10口+4,600円×5口)/15口≒3,067円

一方、毎月一定口数買う場合は、ドルコスト平均法よりも平均取得単価が高くなります。仮に毎月5口ずつ買ったとすると、平均取得単価は3,450円になります。

  • (2,300円×5口+4,600円×5口)/10口=3,450円

このようにドルコスト平均法で投資信託を買った方が、平均取得単価が低くなります。

もしも、iDeCoの掛金を年単位拠出にし、年1回だけしか掛金を拠出しなかった場合、その時の投資信託の時価が割高であれば、少ない口数しか購入できませんし、取得単価も高くなってしまいます。

このデメリットは、iDeCoの掛金を定期預金で運用する場合にも当てはまります。現在の預金利率が0.01%だった場合、1回だけ掛金を拠出して定期預金に預けると、満期が来るまで年利0.01%の利息しか受け取れません。もしも、3ヶ月後に預金利率が0.02%に上がっても満期が来るまでは0.01%の利息のままです。

毎月定額払いであれば、3ヶ月後からは年利0.02%の定期預金に掛金を預けられますから、年1回の拠出よりも有利となります。

ドルコスト平均法のデメリット

しかし、ドルコスト平均法にはデメリットもあります。

それは、相場がずっと値下がりし続けている場合に多くの口数に投資してしまうことです。

定期預金で考えるとわかりやすいです。

預金利率が、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%と下がり続けている場合、最も有利になるのは、預金利率が0.01%の時に多くのお金を定期預金に預けることです。毎月少しずつ定期預金に預けている場合、徐々に預金利率が下がっていきますから、受け取れる利息も徐々に減っていきます。

なお、ドルコスト平均法のデメリットは以下の記事をご覧ください。

iDeCoの掛金を年単位拠出にすると国民年金基金連合会に支払う手数料を節約できます。

ただし、年1回拠出だと、ドルコスト平均法のメリットが減ってしまいます。

しかし、ドルコスト平均法は、相場が下がり続けている局面ではデメリットとなります。

これらを総合的に勘案すると、iDeCoの掛金を年単位拠出にする場合でも、拠出回数は1回とせず、6回、3回、2回など年に複数回は拠出する方が無難です。