個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛金の配分指定をパーセントで行う

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、老後の公的年金受給額に上乗せできる私的年金で、これから多くの人が加入していくと思います。

iDeCoでは、拠出した掛金を自分で選んだ投資先で運用することになります。投資できる金融商品は、iDeCoを申込んだ金融機関によって異なりますが、定期預金、保険、投資信託での掛金運用が基本になります。そして、掛金のうち、どれだけをどの金融商品で運用するかは、割合(パーセント)で指定しなければなりません。

金融機関が用意した金融商品を選ぶ

iDeCoへの加入を決めたら、金融機関を選び、インターネットや電話で必要書類を自宅に送ってもらいます。その中に「確定拠出年金・配分指定書」が含まれており、ここに記載されている金融商品から、掛金の配分指定を行います。

用意されている金融商品は、金融機関によって異なり、取り扱っている数も違いますが、どの金融機関も商品数は最大で35までと決まっています。

多くの金融機関では、定期預金や外貨預金もありますが、投資信託が主となっています。

投資信託には、国内株式型、国内債券型、国内不動産型、海外株式型、海外債券型などの種類があり、また、値動きが小さなものから大きなものまで様々です。

元本を減らしたくないのなら国内の定期預金を選ぶことになりますが、低金利の現代では、それだと老後の年金受給額がほとんど増えません。

そのため、年金を増やそうと思うなら、リスクはありますが投資信託で掛金を運用する必要があります。

確かに元本が目減りするのは不安ですが、iDeCoには節税メリットがあるので、税金が安くなった分までなら元本が減っても、実質的に損をしません。ただ、ハイリスクな投資信託は避けた方が良いですから、インデックス型を選ぶのが無難でしょう。

掛金の配分はパーセント

iDeCoの掛金のうち、定期預金にいくら、国内株式型の投資信託にいくら、海外株式型の投資信託にいくらと配分指定をしなければなりませんが、配分指定は口数ではなくパーセントで行います。

  • 定期預金に1口
  • 国内株式型に2口
  • 海外株式型に1口

といった配分指定をするのではなく、

  • 定期預金に25%
  • 国内株式型に50%
  • 海外株式型に25%

といった形で配分指定を行います。この場合だと、毎月10,000円を掛金として拠出していれば、定期預金に2,500円、国内株式型に5,000円、海外株式型に2,500円と掛金が振り分けられて運用されます。

配分指定はリスク許容度で決まる

ところで、誰にでも有利となる掛金の配分指定はあるのでしょうか?

答えを先に言うと、ありません。

将来、どれだけの年金受給額があれば老後の生活が成り立つかは、人によって異なります。毎月30万円の収入がないと生活できない人もいれば、20万円あれば十分という人もいます。

したがって、必要な老後資金に個人差がある以上、iDeCoの掛金の配分指定にも個人差があるのです。

また、老後に月30万円のお金が必要な人でも、現在、いくらの給料をもらっているかで配分指定は変わってきます。現在の収入が多い人であれば、ローリスクローリターンの金融商品で掛金を運用しても老後に月30万円の生活費を賄えるでしょう。一方、現在の収入だけでは、老後に月30万円の生活費を用意できないのなら、リスクを取って積極的に老後資金を増やさなければならないでしょう。

このように人によってリスク許容度が違うので、誰にでも有利となる配分指定は存在しません。

ただし、iDeCoは、老後にもらう公的年金に上乗せするために加入するものですから、ハイリスクハイリターンの金融商品ばかりで掛金を運用するべきではありません。多くの老後資金を確保したいからと言って、新興国の株式ばかりで掛金を運用すると、大きな損失を出す危険があります。

リスク許容度が高い人であっても、節税額を超える損失が出ない程度にリスクテイクしましょう。