資産運用は一度に複数の投資をする必要はない

資産運用について解説しているウェブサイトやブログを見ていると、個人向け国債、投資信託、株式、不動産など複数の投資対象に一度に投資すべきだと述べられていることがあります。

しかし、資産運用を思い立った時にこれだけ多くの種類の対象に投資するだけの資金を用意できる人は稀です。なので、ほとんどの人が資産運用を始める時には、順番に投資対象を決めていくことになります。

預貯金に余裕ができてもまずは安全に

誰もが最初にする資産運用は、預貯金を増やすことでしょう。給料が銀行振込の会社が多くなっている現代では、大して意識しなくても、誰もが預貯金で資産運用しているはずです。

仕事が忙しくて預貯金でしか資産運用をしていなかった人は、おそらく投資の知識がないでしょう。そういう人がいきなり株式や不動産のように元本が目減りする危険のある投資を行うのは得策ではありません。

預貯金に余裕ができても、まずは個人向け国債のように安全性の高い投資対象で資産運用するべきです。

さらに預貯金に余裕ができたら

個人向け国債であれば毎月1万円から購入できるので、給料が入ったら一定額を国債購入に充てるのがおすすめです。

そうやって毎月個人向け国債を購入していっても、預貯金に余裕がある場合に株式投資を考えれば良いでしょう。ただし、これまで仕事が忙しくて投資の勉強をしていなかったという方は、すぐに株式に手を出してはいけません。

株式投資を思い立って、まずしなければならないことは会計学の勉強です。株式の価値を評価するためには財務諸表を読む能力がなければなりません。そして、財務諸表を読むためには、どうしても会計学の知識が必要になります。

会計学の勉強をせずに株式投資を始めた人は、株価チャートだけを見て取引するようになります。株価が高いから安全な株式とはなりませんし、株価が低いから危険な株式ともなりません。株価は企業の業績を反映したものですから、その企業の業績が良いのか悪いのかを把握しないことには、あるべき株価を評価できません。株価チャートだけを見て、そのような情報を得るのは不可能です。

預貯金や個人向け国際で安全に資産運用している間に会計学を勉強して、株式投資のための基礎知識を身につけておきましょう。