法則に踊らされる投資家が増えれば株価は法則通りに動くようになる

株式投資の世界には、様々な法則があります。いや、法則がないのにあると言い張る人がたくさんいると言った方が良いでしょう。

株式投資の世界の法則は、どれもどうなれば株価がどのように動くといったものばかりで、企業価値とは全く違うところで生み出されています。

法則は法則を信じて行動した結果でしかない

1ヶ月間下がり続けている株式は買いだという法則があったとしましょう。

この法則を信じている投資家がたくさんいれば、1ヶ月間株価が下がり続けている株式を探し求め、そして、そのような銘柄を見つけた時に迷わず買い注文を出します。そうすると、株価は上がり始めるので、この法則は正しいとなります。

しかし、この法則は、法則を信じた投資家が自らの行動によって株価を上げているのであり、法則通りに株価が上がっているわけではありません。簡単に言うと、投資家が法則に踊らされた結果、株価が上がっただけなのです。

株価の動きに法則はない

株価は投資家の売買によって動くので、投資家心理が株価を決定していると言えなくもありません。

株価変動の法則を信じる投資家が多ければ多いほど法則通りに株価は動きます。だから、法則に踊らされている投資家ばかりが取引に参加している場合には、実際に法則通りに株価が動きやすいです。そうなると、ますます法則を信じるようになります。

しかし、一方で財務諸表を分析して株式取引をしている投資家もいます。そのような投資家が法則を信じて売買を行っている投資家がよく取引している銘柄を見つければ、法則通りに株価が動かなくなるでしょう。

財務諸表をじっくりと読み込んでいる投資家なら、株価が割高か割安か判断できます。割高と判断すれば株式を売りますし、割安と判断すれば買います。そうして、株価変動の法則は崩れるのです。

株式投資に法則を見つけようとしても無駄です。株価の変動に法則はないのですから。