書籍や雑誌、ウェブサイトでは、よく投資の必勝法を解説していることがあります。
こういった情報を見て、投資に必勝法があると思う人もいれば、投資に必勝法がないと思う人もいます。しかし、必勝法のあるなしを考えること自体が資産形成には無意味なことなのです。
預金に勝ち負けはない
投資に必勝法があるかないかを考える人は、投資を資産形成の一環だと考えていません。だから、こういうことを考える人は、投資は勝ち負けの問題だと思っています。
しかし、投資を資産形成の一環だと捉えている人は、投資も預金も同じように考えています。お金を銀行に預ける時、勝ち負けを考えて預けますか?そんなことは考えませんよね。投資だって同じです。勝ち負けの問題ではなく、銀行にお金を預けるのと同じ資産形成の一手段だと理解しましょう。
短期売買では勝者と敗者が現れる
こう言っても、投資には勝者と敗者が存在するから勝ち負けの問題だという認識を変えない人がいます。
そのように考えるのは、株式の短期売買を繰り返しているからです。昨日100円で取得した株式を今日98円で売れば2円の損です。そして、同じ株式を今日98円で取得した人が明日100円で売れば2円の得です。これだけを見れば、前者が敗者で後者が勝者に見えます。
しかし、前者が3日間、株式を持ち続ければ買った時も株価100円、3日後も株価100円なので、損益は発生していません。それなのに勝者と敗者が出るのは、一時的な株価の変動の影響を受けているから、つまり、短期に売買をしているからなのです。
もしも、1年間、その株式を持ち続けて株価が110円になっていれば、売却すると10円の得になります。次に110円で株式を取得した人も、1年後に120円で売却すれば10円の得です。先の例と同じで登場人物は2人ですが、こちらの例の場合、前者も後者も得しています。
これが、投資も資産形成である理由です。短期売買を繰り返すとギャンブル的要素が強くなることを知っておきましょう。