投資に必勝法などない

投資の世界には必勝法があると信じている人は多いです。株でも不動産でも、投資で成功している人はたくさんいますが、そういった成功事例を見ていても、共通するものはありません。

無理やり共通点を見つけることはできますが、そもそも、投資家によって収入も違えば年齢も異なりますし、家族構成だって同じではありません。それなのに共通の必勝法があると考えるのは不自然です。

唯一無二の投資手法はない

経営学にコンティンジェンシー理論という考え方があります。これは、必ずうまくいく最適な組織は存在しないという考え方です。経営環境が異なれば、それに従って組織も変えなければなりません。

自動車メーカーとIT企業では、組織形態は違っていて当たり前です。同じように投資家も、機関投資家と個人投資家で投資手法は異なりますし、個人投資家でも仕事の年収や家族構成によって、何に投資するのが有利かは異なります。

したがって、投資に唯一無二の必勝法はないのです。

必勝法は運任せ

投資の必勝法を紹介したウェブサイトや書籍はたくさんあります。

しかし、それらは過去の成功事例を紹介しているものばかりで、今後、どうすれば投資で儲かるかを解説しているものを見ることはありません。いろいろと理屈をつけて、必勝法らしきことを語ってはいますが、どの手法もただ運が良かっただけとしか言えないものばかりです。

投資に必勝法があるとすれば、それは、安くで買って高く売るだけです。そして、こんなことは誰もが知っていることです。したがって、投資の必勝法を見つけようとすることは時間の無駄だと思うべきです。

投資対象の値が上がりそうか下がりそうかを予想するよりも、その投資対象の価値を正しく見積もることの方が大切です。しかし、そういう知識や技術を身につけるのには時間がかかります。その時間を惜しむ人が、投資の必勝法を追い求めているのです。