リスクヘッジ目的以外のFXは失敗して当たり前

外国為替証拠金取引、通称FXを投資だと思ってやっている個人投資家はたくさんいます。しかし、彼らの多くが投資だと言いながら、FXを単独でやっています。それはただの投機であり、投資とは言いません。

FXを投資目的でやっているというのなら、必ずリスクヘッジすべき対象があるはずです。

FXの失敗者はリスクヘッジのためにやっていない

FXをリスクヘッジの目的で行う場合、外貨建ての資産や負債がなければなりません。外貨建ての預金や債券を保有していれば、将来、円高になると為替差損が発生しますから、その為替差損の穴埋めをするためにFXを利用して円高になった時に得するようにしておくのです。

そうすれば、万が一、円高になって預金や債券の価値が目減りしても、FXで得した分で価値の目減り分を穴埋めできます。

外貨建ての負債を負っている場合も同じです。将来、円安になると返済しなければならない借金が増えるので、FXで円安になれば得するようにしておきます。そうすれば、円安になって返済額が増えても、その増加分をFXの利益で補えるので余計な支出を回避できます。

FXに限らずデリバティブは、本来、このようなリスクヘッジのために利用するものです。

しかし、FXの失敗者はリスクヘッジ目的で取引していません。だから、自分の予想が外れて損をしたのです。

リスクヘッジ目的のFXは損しない

リスクヘッジ目的でFXをやれば損することはありません。

外貨建資産が将来の円高によって目減りすると予想した場合、円高になれば得するようにFXでリスクヘッジしておきます。ところが、予想に反して為替相場が円安になったとします。

この場合、FXでは損をします。でも、ヘッジ対象である外貨建資産からは為替差益が発生しているので、当該外貨建資産を円貨に交換した時の儲けでFXの損失の穴埋めができます。

外貨建負債の場合も同じです。円安になれば得するようにFXでリスクヘッジしていたけども、予想に反して円高になればFXでは損します。でも、円高になったことで外貨建負債の返済額が減るので、ヘッジ対象からは利益が出ます。FXの損失と外貨建負債から生じた為替差益を相殺すれば、損失は発生しません。

FXで失敗する人は、FXをリスクヘッジ目的で利用しなかった投資家たちです。もはや、このような人を投資家とは言えないでしょう。リスクヘッジ目的以外でFXに手を出して失敗した人は、競輪や競馬などの公営ギャンブルで損した人と全く同じです。