国内銀行にお金を預けていても、わずかな利息しか付かないので外貨預金にした方が良いのでは?
低金利の時代が長く続くと、こう思ってしまうのも無理はありません。外貨預金の利率を見ていると、国内銀行に預けるよりもかなり優遇されていることがあります。だから、今のうちに外貨預金に預けておけば、多くの利息を受け取れると思ってしまいます。
しかし、外貨預金には手数料がかかりますし、何よりも為替変動のリスクがあるので元本の目減りも不安です。
為替手数料が往復でかかる
外貨預金の手数料は割と高めです。
ドル預金だと、預け入れる時に1ドルにつき1円の手数料が発生しますし、円に戻す時にも1ドルにつき1円の手数料が発生します。つまり、往復で1ドルにつき2円の手数料がかかるのです。
1ドル=100円だと替手数料は2%ですから、1年で円に戻す場合にはドル預金の利率が2%を超えていなければ損する計算です。しかし、ドル預金をする人は、それをわかっているのに円での預金を選びません。
その理由は、為替相場の変動で儲かると考えているからです。
為替相場は予測が難しい
為替手数料が1ドルにつき2円かかっても、預入日よりも2円以上円安(ドル高)になっていれば得しますから、ドル預金をする人は将来的に円安になると予測しているはずです。
しかし、為替相場がどう動くのかを予測するのは容易なことではありません。円高か円安かの2択ですが、それをなかなか当てることができないのです。
ドル預金について言えば、長期間預けていると損する確率の方が高くなるでしょう。
これまでの為替相場を長期的に見ると、円はドルに対して右肩上がりに高くなっていってます。昔は1ドル=360円だったのが、21世紀に入ってからは1ドル=100円前後で取引されていることを見ても、明らかに長期のドル預金は不利な方向に向かっていると考えられます。
それなのにドル預金をするのは、長期的視点ではなく、短期的な為替相場の変動を予測して為替差益を得ようとしているのだということがよくわかりますね。
為替相場は昨日は円高だったけど今日は円安だったということがよく起こります。長期的には円高に向かっているけども、短期的には上下しています。ドル預金は、この短期的な値動きを狙わない限り、利益を出すのは難しいのです。
当然、短期間に何度もドルで預金して円で引き出すということを繰り返していれば、為替手数料も多額になります。為替手数料を節約しようと思うなら、長期間、ドルで預けておかなければなりません。しかし、そうすると円高になって損する危険が高くなることは、もう理解できましたよね。
預金者がドル預金で利益を得ることは難しいです。もちろん、ドル預金で儲かっている人もいますから絶対に損するとは言えません。ただし、そういう人たちは投機で勝った人たちですから、安全な資産形成を求めるのであれば、外貨預金は慎重に考えた方が良いでしょう。