外貨預金は初心者向きの投資ではない

最近は、国内の銀行に定期預金で預けていても利率が低いので、大した利息を受け取れません。だから、銀行に預けておくよりも有利な投資がないかと考える人が多く、特に預金中心で資産形成をしている場合だと外貨預金を検討したくなります。

しかし、外貨預金は初心者向きの投資ではありませんから、契約には慎重になった方が良いです。

利率は高い傾向にある

外貨預金の魅力は、多くの場合で国内銀行の定期預金よりも利率が高いことです。

国内だと定期預金でも微々たる利息しか付きませんが、外貨預金だと国内の利率の10倍を超えることもあります。新興国になると、さらに高率になることもあります。

さすがに新興国の外貨預金だと将来の不安があるので手を出さないでしょう。しかし、アメリカやヨーロッパの国々のような先進国の外貨預金なら安心感があります。だから、国内銀行の定期預金よりも利率が良ければ、安全性の高い有利な投資対象だと思ってしまいます。

為替相場の変動で受取利息以上の損をすることもある

外貨預金が国内の定期預金よりも、利率が有利だからと言っても確実に国内の定期預金よりも儲かるとは限りません。なぜなら、外貨預金には為替リスクがあるからです。

例えば、1ドル=100円の時に年利2%の米ドル預金を契約したとします。この外貨預金を1年間続ければ、1.02ドルを受け取れます。円換算すると102円ですから、1ドルにつき2円の利息を受け取れることになります。

しかし、この計算は為替相場が変動しないことを前提にしています。もしも、1年後に1ドル=98円になっていれば、1.02ドルを円換算すると約100円になるので1年間まったく利息が付かなかったのと同じです。

つまり、外貨預金は利率の他にも為替相場の変動まで考慮しなければ、最悪の場合、元本割れを起こす危険があるのです。

また、ドル預金の場合は、預ける時に1ドルにつき1円の手数料が発生しますし、円に戻す時にも1ドルにつき1円の手数料が発生します。したがって、為替手数料まで計算に入れると年利2%の利率では手数料を払うとなくなってしまいます。

外貨預金はただの預金だと思って契約すると、思いがけない為替差損が発生する場合があります。決して初心者向きの投資ではないことを知っておきましょう。