外国為替証拠金取引(FX)をやっている人の中には、自分の投資の成果をブログで公開している人がいます。その中には、表面上は成功しているように見えるトレーダーがいます。
しかし、多くの場合、FXで利益が出ているのは、その人の実力ではなくて運です。しかし、儲かっている時は、それが運だと気付きにくいものです。そして、ブログ上で、いろいろとFXで成功するための持論を展開していますが、ほとんどの場合、どの方法も実力と言えるようなものではありません。
為替相場が将来どのように動くのかはわからない
そもそも為替相場が、将来、どのように動くのかを予測するのは不可能に近いです。1ヶ月後に1ドル=120円になると言い切れる人はまずいません。
FXで儲かっている人は、多くの場合、自分の思い込みと同じ方向に為替が動いて利益が出ているだけなのですが、それを実力と勘違いしています。1ヶ月で月給を超えるような利益を出していると、そのように思ってしまうのは無理のないことかもしれません。
為替相場の変動のうち、貿易によって動いている部分は微々たるものです。為替変動の大部分は、投機目的で通貨の売買を行っているトレーダーたちによって生み出されています。その事実を知っていれば、各国の経済事情が今後どうなるのかを予測できたとしても、他のトレーダーが投機目的で通貨の売買を行っている限り、経済情勢と為替が連動するかどうかはわからないと気付くはずです。
思い込みが当たると実力と勘違いする
例えば、日銀の為替介入で円安が進むと予測し、円を売って米ドルを買ったとします。米ドルを持っていますから、今後、円安が進めば進むほど為替差益が膨らんでいきます。
しかし、日銀が一向に為替介入をしなかったとしても、他のトレーダーたちが日銀の為替介入を予測して円売りドル買いをすれば為替相場は円安に動いていきます。例え、日銀の為替介入という情報がデマであったとしても、そのデマを信じて円を売るトレーダーが多ければ、日銀の為替介入がなくとも結果的に為替差益が生まれます。
長期的には、為替相場は各国の経済力を反映し、高い通貨と安い通貨が出現します。しかし、短期的には各国の経済力を為替相場が反映しないことはよくあることです。それをわかっていれば、短期の取引中心のFXで儲かるかどうかは運任せだと理解できるでしょう。