外国為替証拠金取引、通称FXと呼ばれる取引をする人が増えています。
FXは、簡単に言うと将来の為替相場を予想する取引です。将来、円安になると思ったら円安になる方にお金をかけて、実際に円安になれば儲かります。自分の所持金だけで、円安になるのか円高になるのかを予想して賭けるのなら、それほど大きな損失にはなりません。
しかし、FXは借金をしてるのと同じ状態で取引をしているので、失敗すると元本が吹っ飛ぶだけでなく、その後の借金返済が待ち受けています。
レバレッジは借金と思え
FXが借金をしているのと同じとはどういうことでしょうか?
FXは、あらかじめ差し入れた証拠金の25倍までの取引をできます。例えば、1万円の証拠金を差し入れると25万円の取引ができるのです。これは、別の言い方をすると、24万円を借金して為替取引を行っているのと同じなのです。
仮にこの25万円を1ドル=100円の時に米ドルと交換したとします。したがって、この時点で25万円は2,500ドルになっています。
1ヶ月後、1ドルが90円まで下がりました。2,500ドルを日本円に戻すと、22.5万円です。つまり、この1ヶ月で2.5万円の損失を出したことになります。
24万円の借金をして為替取引をしたのですから返済しなければなりません。とりあえず、22.5万円が戻ってきているので、それを借金の返済に充てます。しかし、まだ1.5万円の借金が残っています。この1.5万円を返済するために追加で証拠金を差し入れて完済しなければなりません。
先ほど、証拠金の25倍の取引ができると述べましたが、この倍率のことをレバレッジと言います。レバレッジは日本語でテコのことです。わずかな証拠金がテコのように働いて大きな取引ができるという意味です。しかし、レバレッジは、ただの借金です。FXをすることは借金をするのと同じなのです。
借金は資産形成を邪魔する
借金は資産形成の邪魔になります。
利率1%の定期預金に預けていたとしても、利率2%で借金をしていたのでは資産は増えません。なので、資産形成をしようと思ったら、まず借金の返済から取り組まなければなりません。
FXは積極的に借金をして投資をするのですから、資産形成とは違います。
資産形成でないとしたら、FXでの利益は何でしょうか?
それは、他人から借金してギャンブルをしたら当たったというだけのものです。