普通預金も立派な投資対象

世間では、普通預金にお金を預けておくのはもったいないと言う人がいます。どちらかと言えば、そういう人の割合の方が多いです。普通預金は利率がとても低いので、資金に余裕があるのなら他に投資した方が得だという意見はよくわかります。

しかし、長期的に資産形成をするのなら普通預金だって立派な投資対象です。

元本の目減りがそうそう起こらない

普通預金が投資対象として最も優れている点は、他の投資と比較して元本が目減りするリスクが極めて低いことです。日本経済が壊滅的打撃を受けて、大銀行が連鎖的に倒産するような事態になれば普通預金でも安心できませんが、そういう事態に陥ることは滅多にありません。

資産形成において、元本が目減りしにくいことは極めて重要なことです。たとえ、利息が付かなくても、毎月コツコツと普通預金に預け入れていけば、10年後、20年後には大きく育っているものです。毎月1万円預けるだけでも、10年後には120万円、20年後には240万円も貯まっているのですから馬鹿にしてはいけません。

インフレになれば利率も上がる

よく普通預金はインフレに弱いと言われます。しかし、これは正しいとは言えません。

なぜなら、普通預金の利率はインフレ率も加味して決まるからです。1年後に物価が3%上昇する見込であれば、普通預金利率にはインフレ率の3%が上乗せされます。

また、物価が下がっていくデフレの局面でも、普通預金が目減りすることはありません。デフレ率が3%と予測されたからと言って、100万円の普通預金が1年後に97万円に減らされることはまずないです。デフレ率が3%なのに元本が減っていないのなら、実質的に3%の利息を受け取ったのと同じです。もしも、不動産に投資して地価が3%下落すれば、売却額は取得原価よりも3%低くなります。

このように考えると、普通預金はインフレにもデフレにも強い投資対象ですから、安全に資産形成をしようと思うなら、普通預金も侮ってはいけません。

増やすだけが資産形成ではありません。現在、有望な投資対象がないのなら、資金を普通預金に預けておいても損することはないので、無理にリスクのある投資を選択しないようにしましょう。