デイトレードは他人の行動に収益が左右される

1日のうちに何度も売買を繰り返すデイトレードは、どの株式が値上がりするかの銘柄選定で企業価値を評価することはありません。その日に買ってその日のうちに売却するのですから、企業価値を評価しようがないとも言えます。

また、多くのデイトレーダーが財務諸表を分析する能力を有していないので、企業価値を評価できません。だから、デイトレーダーは、株価チャートを見てこれから株価が上がりそうだとか下がりそうだとかを予想して買い注文を出します。

他人の行動を予想できるか?

デイトレーダーが株価チャートだけを見て株式取引をしている以上、収益は他人の行動に左右されます。

自分が買った後に他の投資家が買い注文を出せば株価が上がります。もしも、機関投資家が大口の買い注文を出せば、さらに儲けが大きくなります。したがって、デイトレーダーは、自分が株式を取得した後に多くの買い注文が入ることを予想して株式投資をしているのです。

しかし、パソコンの前に座ってモニターを見ていても、なかなか他の投資家の心理を読むことはできません。しかも、複数の投資家が同じ銘柄に買い注文を出さなければ、なかなか株価が上がりませんから、デイトレーダーはたくさんの投資家の心理を同時に読む必要があります。

普通に考えれば、そんなことはできないとわかります。

運狙いの投資

パソコンを見ていても、他の投資家の心理を読めない以上、デイトレーダーの損益は運任せです。そして、その運は他人の行動にかかっています。つまり、自分の努力で儲けることはできないのです。

しかし、近々大口の注文が入ることを予想できるかどうかが腕の見せ所だと言っているデイトレーダーは何人もいます。過去の株価チャートを見て、このように動いたら買いだとか売りだとかを解説していますが、過去のことは誰でも理由付けできます。

大口の買い注文は、機関投資家や大富豪の投資判断に依存します。どこかに盗聴器でも仕掛けておかなければ、彼らの投資行動を事前に察知することは不可能です。

どんなに理屈をつけても、デイトレードでの儲けは、他人の行動にかかっていることを否定できません。