デイトレーダーばかりだと午前中に株価が上がって午後に株価が下がる?

インターネットの普及から、1日に何度も株式取引を繰り返すデイトレードをする個人投資家が増えています。デイトレードは、厳密には、その日に買った株式をその日に売却して、取引終了時点ではポジションを持たない取引手法です。

では、このようなデイトレーダーばかりが売買を繰り返している銘柄は、どのような値動きをするでしょうか?

午前中に買い注文が集中する

多くのデイトレーダーが目を付けた銘柄は、きっと午前中に株価が上がっていくでしょう。株式の売買をできる時間は決まっていますから、できるだけ取引所が開いて間もない時間に買い注文を出した方が、その後、値上がりするのを待つ時間を長くできます。そして、株式を取得した時よりも株価が上がれば、その時点で売却して利ザヤを稼ぎます。

しかし、午前中に取得した株式の株価が下落し続けた場合でも、その日のうちに売却しなければなりませんから、取引所が閉まる直前に売却して損失を確定させなければなりません。

このように考えると、多くのデイトレーダーが目を付けた銘柄は、午前中の早い時間帯に買い注文を出さなければ株価が上がって高値で買わなければならなくなり、その日のうちに売却して利益を出せる可能性が低くなることがわかります。

午後から買い注文を出せば低い株価で取得できる

デイトレーダーの行動から、午後のそれも取引所が閉まる時間帯に株価が下落します。なので、株式を取得すべき時間帯は、実は午前中ではなく午後となります。取引所が閉まるギリギリの時間に取得すれば、最も割安に株式を取得可能です。

そして、翌日の午前中にデイトレーダーが再び買い注文を出して株価を上げてくれるので、前日に取得した株式を売却すれば、簡単に利益を出せます。

こんなに簡単に株式投資で儲ける方法があるのですが、おそらく、この方法を真似しても多くの人が失敗するはずです。そもそも、デイトレーダーばかりが売買を繰り返している銘柄を見つけるのは難しいです。パソコンの前で値動きをチェックしていても、デイトレーダーが何人取引に参加しているのかを把握することはできません。目に見えないデイトレーダーの心理を読むことも不可能ですし、全てのデイトレーダーが同じ行動をするとも限りません。

読むべきものは財務諸表

株式投資で儲けるためには投資家心理を読むことが大事だと言われることがありますが、どれだけいるのかわからない個人投資家の心理を読むのは不可能に近いことです。

また、機関投資家も取引に参加しているのですから、株価は個人投資家、それもデイトレーダーの心理だけで動くものではありません。

不特定多数の投資家心理を読もうとするのは無駄なことです。どうせ読むのなら、有価証券報告書に掲載されている財務諸表を読むべきです。その企業が今期どれだけの売上と利益を上げているのか、純資産がどの程度あるのか、将来の経営成績や財政状態に影響を与えそうな要因があるのか、そういったことを財務諸表から読み取ることの方が、株式投資では大事なことです。