株式取引の初心者が知っておくべきデイトレード手法なんかない

株式取引初心者でも簡単に覚えられるデイトレードのやり方。

このような文言を見たことありませんか?

これから株式投資を始めようと思っている人が、インターネットで検索していると、よく出てくるのがこういった文章です。そして、こういった情報を見ていると、株式投資の初心者はデイトレードから始めるのが正しいのではないかと勘違いしてしまいます。

株価は業績や将来性を反映する

デイトレードは、1日のうちに何回も株式売買を繰り返す取引手法です。

なぜ、1日に何回も売買を繰り返すのかをじっくりと考えればデイトレードが運だけの取引だとわかります。しかし、インターネット上には、デイトレードの情報ばかりが溢れているので、デイトレードこそが正しい株式取引のあり方だと、株式投資の初心者が思うのも仕方のないことです。

株価は、その株式を発行している企業の業績や将来性を貨幣額で表したものと言えます。売上や利益が増えれば、それに連れて株価も上がります。逆に赤字ばかりを計上している企業の株価は下がります。

これは言い方を変えると、業績の良い会社の株式であれば誰もが買いたいと思うので需要が高まって株価が上がり、業績の悪い会社の株式は持っていたいと思わないので売りたい人が増えて株価が下がるということです。株価は、需要と供給の関係で決まるのですが、その背景には業績や将来性の評価があることを知っておかなければなりません。

デイトレードは運だけ

午前中に買った銘柄を午後に売却するのは、デイトレーダーなら当たり前にやっていることです。

株価は企業の業績や将来性を反映したものなので、午前中に買い注文を出すのは、その株式を発行している企業の業績が良くなったとか、新たな市場の開拓で将来の売上アップが見込めるとか、プラスになる情報を入手した場合と通常は考えられます。

また、午後に株式を売却するのは、その株式を発行している企業の業績や将来性に不利な情報が世の中に流れた時です。

ところが、デイトレーダーは、そういった情報を入手して売買をしているのではありません。ただ、株価チャートを見て、何となく買いだとか、何となく売りだとか決めているだけです。すなわち、デイトレードとは運で儲けようとする行為なのです。

もちろん、デイトレードで結果を出している投資家はいます。そして、自分が結果を出した手法をネット上で公開していることもあります。しかし、その儲けが単なる運だということを本人はまったく気づいていません。

デイトレーダーが100人いれば10人くらいは運だけで成功する人が出てきます。その運だけのトレーディング手法を知ったところで何の役にも立たないことは誰だってわかるはずです。