デイトレードは3回に1回損失を出せば勝てる?

日々、株式の売買を繰り返すデイトレードには必勝法が存在する。

そう信じている人がとても多いです。株価チャートだけを見て、この後、上がるか下がるかを予測するのは、サイコロを転がして奇数が出るか偶数が出るかを予測するのと全く同じです。転がしたサイコロの目を当てるのは偶然だとわかっていても、デイトレードでの損益が偶然だとわからない人はたくさんいます。

3回に1回の負けなら利益が出る

デイトレードの必勝法で、3回取引を行ったら1回は損が出るから、その1回の損失を低く抑えれば勝てるというものがあります。

例えば、1回目の売買で10万円の利益、2回目の売買でも10万円の利益、3回目の売買で5万円の損失であれば、合計で15万円の利益ですから、3回に1回小さく負ければトータルで勝てるというのはその通りです。

しかし、そううまくいくものでしょうか?

上がるか下がるかの2択である以上、単純に得する確率も損する確率も50%と考えられます。それなのに3回に2回勝つという前提でデイトレードをするのは楽観的すぎます。株価チャートの動き以外何も参考にしないのであれば、試行回数を増やすにしたがって勝率50%に近づいていくでしょう。

もしも、3回に2回勝てるのであれば、負けた時の1回の損失を少なくしなくても合計で利益を出すことはできます。

どんなに理屈をこねてもデイトレードは運

株価チャートしか見ずに株式売買を繰り返すデイトレードは、どんなにもっともそうな理屈をつけても、損益の結果は運次第です。3回に1回小さく損すれば勝てるとか、そのような理屈は、偶然2勝1敗になっただけであり、何らの根拠もありません。

また、デイトレードで儲かっている人は全体の1割と言われていますが、適当に株式売買を繰り返していても、全体の1割程度であれば利益を出す人は出てきます。当然、偶然の結果ですから、確実に儲かる必勝法を実践したものでもありません。

デイトレードは、ギャンブル的要素の強いトレーディング手法です。安全に資産形成しようと思うならデイトレードはしないことです。