長期投資だからリスクテイクできる

安全に資産形成するためには、長期投資が基本になります。

預貯金であれば短期でも長期でも安全性は極めて高いです。ところが、株式投資のように元本割れを起こす危険性のある投資では、長期保有しなければ大きな損失が発生しやすくなります。

優良企業の株式でも短期的に時価が上下動しやすい

誰でも知っているような大企業は、創業数十年の長い歴史を持っています。中には100年を超える老舗企業もあります。

このような歴史のある大企業の株価は、上場して間もない時期と現在を比較すると、ほとんどの場合で現在の方が高くなっています。しかし、どんな優良企業の株式でも短期的には株価が下落することがあります。

為替変動、税制改正、消費者の嗜好の変化など、企業の経営成績に影響を与える事象はいくつもあります。これらの事象が企業の経営成績に有利な方向に働けば売上も利益も増えますから株価も上がります。ところが、これらの事象が経営成績に不利に働けば、売上も利益も減って株価が下落します。

したがって、どんな優良企業の株式でも、短期的には株価の上下動があるので短期売買を繰り返していれば損する危険性が高くなります。

優良企業の株価は長期的には右肩上がりになりやすい

多くの歴史ある優良企業の現在の株価は、上場したばかりの株価と比較して高くなっています。

長い歴史があることは、何度も経営危機を乗り越えてきていることでもあり、そのような企業は売上や利益が上場したばかりの時よりも多くなっていますし、財政的基盤も強固になっています。だから、長い歴史のある企業の株価は長期的に見ると右肩上がりになりやすいのです。

このような傾向を知っていれば、リスクのある株式こそ長期保有すべきだとわかるはずです。リスクとは将来の不確実性のことです。リスクのある業界に属している企業は、短期的には業績が安定せず株価も乱高下するかもしれません。

しかし、そのような企業が長期的に存続すれば、激しく上下動しながらも株価は右肩上がりに伸びていきます。もちろん倒産すれば株式の価値はゼロになってしまいますが、倒産せずに経営を続けていれば株価は上がります。

短期投資では、優良企業の株式でも損失を出しやすくなります。反対に長期投資であれば、リスクのある銘柄でも運用益を出すことは可能です。

リスクテイクできるのは、短期投資ではなく長期投資なのです。