安全な資産形成をしようと思うなら、株式や不動産を長期保有すべきです。短期的な値動きに釣られて売買を繰り返していたのでは、そのたびに取引手数料が発生するので運用利回りを悪くします。
だから、一度投資したら無駄な手数料の発生を防ぐために腰をどっしりと据えて長期保有した方が有利です。
金融機関は短期売買をして欲しい
しかし、個人投資家とは異なり、証券会社などの金融機関は短期売買をしてもらった方が得します。証券会社は、取引のたびに手数料を受け取れるからです。一度株式を取得して放置する個人投資家は、証券会社にとってはあまりうれしくない顧客です。
でも、個人投資家にすれば、証券会社に支払う手数料は運用益を減らしますから、できるだけ支払いたくないものです。
短期売買をしてくれると儲かる証券会社と長期保有の方がコストを減らせる個人投資家。
両者の利益は相反しています。だから、証券会社側から流れてくる情報は短期売買を促すものが多くなるのは当然です。そして、その情報をもとに短期売買をして大きく稼いだ個人投資家が、インターネット上で短期間に巨額の富を手にしたと発言すれば、多くの個人投資家がその情報に飛びつき短期投資をします。すると、証券会社には、多くの取引手数料が入ってきます。
一握りの短期投資の成功者がいれば良い
短期投資で成功した人の例は、インターネット上でたくさん見れます。
たくさんいる短期投資家の中で、成功した人は一握りです。でも、インターネットで情報を探していると、割と多くの成功例を見つけられます。10人や20人程度の成功例でしかないのですが、とても多く感じるものです。
そして、成功例を知った個人投資家の中から短期投資に切り替えて頻繁に売買する人が現れます。そうすると、証券会社の利益が増えます。
長期投資で安全に資産形成をしようと思うなら、投資した後にいろいろと情報を探そうとしないことも大切です。もっと儲かる投資があるのではないかと探し続けていると、いつの間にか短期売買で利ザヤを稼ぎたくなるものです。
定期預金にお金を預けたら満期まで預金のことを考えなくなります。これと同じように株式や不動産への投資の場合も、投資後は投資したことを忘れるぐらいの方が良いでしょう。