日本人は、海外の先進国の人々よりも資産を預貯金で持ちたがる傾向があると言われています。様々な統計データを見ると確かにその通りになっています。
先進国では株式投資をする人が多いのだから、日本でも、もっと株式投資をする人が増えるべきだと主張する人がいます。しかし、彼らは株式投資をすべきだと主張する割には、株式投資に必要な知識を身につけるようには言いません。
企業価値を評価できなければ株式投資はできない
株式投資をするためには、株式の価値がどれくらいなのかを自分の力で分析できる能力がなければなりません。
誰だって買い物の時に価値がわからない物にお金を払うことはないでしょう。また、商品が持つ価値以上にお金を払うこともありません。自動販売機で100円で売られているお茶を500円も出して買う人がいないことは、誰でもわかるはずです。
株式投資も普段の買い物と同じです。その株式の時価が企業価値を反映しているのなら買っても問題ありません。しかし、株価が企業価値よりも高い水準で取引されている銘柄は過大評価されているので、買うべきではありません。
このようなことは誰でもすぐに理解できるのですが、いざ株式投資をするとなると企業価値よりも高い株価で株式を取得してしまう人が後を絶ちません。その理由は、企業価値を評価できないのに株式投資を始めたからです。
まず会計学を勉強する
企業価値を把握できるようになるためには、財務諸表を読める知識が必要です。そして、財務諸表に何が書いてあるかを理解できるようになるためには、会計学の勉強は必須です。
しかし、銀行にお金を預けていても資産が増えないから、株式投資をして資産形成すべきだと主張する人の多くは、株式取引を始める前に会計学を勉強するようには言いません。なぜなら、株式投資をすべきだと言っている人の中に会計学を勉強したことがある人があまりいないからです。
会計学を勉強したことがない人が株式投資をすべきだと言うのを信じて株式投資を始めるのは危険です。彼らの言葉を信じるくらいなら、銀行預金で資産形成する方が賢い選択です。