投資の専門家と呼ばれている人たちが開催する株式投資セミナーは、いくつもあります。
このような株式投資セミナーで本当に信用できるのは、財務諸表分析の仕方を語れる講師が講義をする場合だけと言っても過言ではありません。ただ株価チャートを見て買い時や売り時を解説している講師の話は、大した役に立ちません。
株価チャートは過去の値動きに過ぎない
株価チャートを見たところで、そこから読み取れるのは、その銘柄がどのような値動きをしてきたかだけです。過去の株価チャートが将来の企業の業績を反映することは基本的にありません。
株価が上がるためには、その株式を発行している企業の純資産が増加していかなければなりません。純資産が増加するのは、増資などの特殊な事情がない限り、企業が利益を獲得し続けていることが絶対条件です。赤字を垂れ流している企業の純資産は減少するので、そのような状況が長く続くと株価も下落していきます。
しかし、どんなに株価チャートを見ても、企業の純資産が増加していくのか減少していくのかの情報を得ることはできません。
株価チャートの分析はこじつけ
株価チャートを見ていると、ある時、大きく値を上げている時や反対に大きく値を下げている時があります。
株価がこのような動きをしている時は、何かが起こった時だと誰でも容易に想像できます。政府が法人減税を発表した、日銀が金融緩和をしたなど、経済に影響を与える可能性が高い情報が公表されると、株価は一時的に大きく動くものです。
株価チャートのことしか語らない投資の専門家は、そのような誰でもわかっていることしかセミナーでは話せません。また、マニアックな情報を見つけ出して株価に影響を与えたかのように語る場合もあります。
しかし、そのような情報が流れたとしても、まったく売上や利益が不安定にならない企業があります。上場するほどの企業なのですから、どのような事態にも対応できる組織になっているのは当たり前なのですが、財務諸表を見ずに株価チャートばかりを見ている投資家は、そのことに気づいていないことが多いです。
世の中の情報を広く集めれば、過去の株価チャートの異常な動きを説明することは可能です。まったく関係ないことであっても、後からならどうとでもこじつけが可能です。
株式投資セミナーに出席するのなら、株価チャートの分析の仕方を語る講師よりも、財務分析の手法を語れる講師が講義するセミナーを選びましょう。