ハイパーインフレが来るから預貯金ではなく株式に投資すべきだという主張は正しいか?

株式投資について解説しているウェブサイトやブログはたくさんあります。それらは、株式投資の魅力を説明していることが多く、読んでいると株式投資をやってみたくなると思います。

株式投資を始めるのは自由です。余裕資金があるのなら預貯金で持っておくよりも株式を取得した方が、資産を増やせる可能性があります。

しかし、預貯金にしておくとハイパーインフレが来た時に損するといったことを解説しているウェブサイトやブログを信用してはいけません。

ハイパーインフレはそうそう来ない

まず、ハイパーインフレが来ることは滅多にありません。

仮にインフレが来たとしても、札束を抱えて買い物をしなければならないようなハイパーインフレが起こることは、大災害や戦争が起こったような場合でなければあり得ません。

また、ハイパーインフレが起こる理由として、国の借金が多すぎることを挙げていることがあります。国が借金を返せなくなった場合、貨幣を大量に発行して国債の償還に充てるから、貨幣流通量が増えてハイパーインフレになるのだそうです。

しかし、そのようなことをしなくても、国は多くの資産を保有していますから、それらを売却すれば国債の返済は可能です。ただ、保有している資産に外国の国債が多いことから、売るに売れないという事情はあります。しかし、国債の償還が不能になりそうな場合は外国の国債を売って償還資金に充てるという選択をするはずです。

ハイパーインフレになったら、バブル経済以上に物価が上昇するでしょうから、その兆候が見られた時に預貯金を引き出して、株式や不動産に投資すれば良いのです。

普通預金はインフレに強い

預貯金はハイパーインフレに弱いという主張は、それ自体が間違っています。タンス預金にしていたら、確かにハイパーインフレが起こると損します。しかし、普通預金に入れておけばハイパーインフレになっても、その分利息が付くので損することはありません。

預金利息は、将来の物価上昇も加味して決定されますから、銀行の物価変動の予測が間違っていない限り預金利率にインフレ率も上乗せされて利息が支払われます。ただ、定期預金のように預け入れた日の利率が満期日まで適用される預貯金の場合は、ハイパーインフレが起こるとインフレ率が預金利率に上乗せされないので損することはあります。

しかし、普通預金であれば、利率は随時変動するので、物価が上昇すればその分だけ預金利率も高くなるのでインフレで損はしないのです。

ハイパーインフレが近い将来やってくるから株式投資をしましょうと言っているウェブサイトやブログには注意しましょう。