ビットコインは将来的に価値が減少していく仕組みになっている

最近、仮想通貨ブームが再燃していますね。

ビットコインに代表される仮想通貨は、何がその価値を担保しているのか不明です。強いて言えば、「仮想通貨に価値があると思っている人がいるから価値がある」ということになりそうです。しかし、この程度のことで価値があると言えるのなら、道端に転がっている石ころだって十分に価値があります。

ビットコインは、最終的に2,100万個発行されたら、それ以上は発行されない仕組みです。そして、2,100万個のビットコインが全て発行されるのは、2140年のことですから、まだまだ先の話です。

約10分ごとにビットコインは発行される

ビットコインの価値を論じる前にまずビットコインがどのように発行されるのかを知っておく必要があります。

ビットコインは、約10分間に行われた取引を誰かがチェックするたびに自動的に発行されていきます。その発行されたビットコインは、取引を最初にチェックした人に報酬として支払われます。

2009年にビットコインが誕生した時は、10分間の取引をチェックするごとに50BTCが発行されていました。その後、4年ごとに発行額が半減していく仕組みになっており、2012年に25BTC、2016年に12.5BTCに下がりました。

10分ごとに取引をチェックする仕組みは、まるでビットコインを掘り出しているように見えることからマイニング(採掘)と呼ばれています。

マイニングの報酬は減っていく

当初は、マイニングの報酬として受け取ることができたビットコインは50BTCだったのに2018年現在では12.5BTCしか受け取れません。同じ10分間に手に入るビットコインは4分の1に下落しています。

2020年になれば、さらに6.25BTC、2024年には3.125BTCと1回のマイニングで受け取れるビットコインは減少し続けますから、後になるほどマイニングの労力に見合うだけのビットコインが受け取れなくなる可能性があります。

もしも、マイニングの対価を一定以上に保とうとするなら、4年の間にビットコインの時価が2倍以上にならなければなりません。4年で受け取れるビットコインが半減するのですから、4年で2倍の価値上昇が必要になることは簡単に理解できると思います。

仮に全ての投資家がビットコインに投資する金額が同じだったとすると、マイニングの対価を維持するためには、4年間にビットコイン取引に参加する投資家の数が2倍に増えなければなりません。

しかし、4年ごとにビットコイン取引に参加する人が、継続的に2倍に増えていくことは可能なのでしょうか?

最初の4年間でのビットコイン参加者が100万人だったとしましょう。そうすると、4年ごとに2倍に取引参加者が増えていくと56年目には80億人を超えなければなりません。

  • 4年目=100万人
  • 8年目=200万人
  • 12年目=400万人
  • 16年目=800万人
  • 20年目=1,600万人
  • 24年目=3,200万人
  • 28年目=6,400万人
  • 32年目=1億2,800万人
  • 36年目=2億5,600万人
  • 40年目=5億1,200万人
  • 44年目=10億2,400万人
  • 48年目=20億4,800万人
  • 52年目=40億9,600万人
  • 56年目=81億9,200万人

56年目に全世界の人口が100億人に到達していたとしても、全人類の80%以上がビットコイン取引に参加していないとマイニングの価値を維持できません。

果たしてこのようなことが可能なのでしょうか?

ほとんどの人が無理だと思うはずです。

そうすると、どこかの時点でマイニングで得るビットコインの価値が下がるに違いありません。マイニングの報酬は4年ごとに減っていくのですから、現状の価値を維持し続けることは極めて難しいでしょう。

そして、2140年に2,100万BTCの発行を終えたら、その後、10分ごとにビットコイン取引をチェックする人が出てくるのかにも疑問があります。報酬をもらえないのに手間をかける人は、普通に考えればいないでしょう。

ただ、ビットコインの価値が下がると困る人たちが、取引をチェックして不正な取引が行われていないことを証明し、価値の下落を抑えようとはすると思います。しかし、それも、ビットコイン取引が下火になると維持できないかもしれません。

将来のことまで考えると、ビットコインの価値は、どこかの時点で減少し始めるはずです。