資産を築いていくなら、できるだけ早く行動するべきです。社会人になってすぐにコツコツとお金を貯めていくことから始めれば、20年後、30年後により多くの資産形成ができるはずです。
30代や40代から資産形成をしようと思っても、働ける期間が20代ほどありません。もちろん、資産形成をするのは何歳からでもできますが、若い方が有利なのは間違いないです。
20代から大きく稼げる投資に手を出すべきか?
資産形成は若い時から始めるのが有利だからと言っても、働き始めたばかりの若者がまとまったお金を用意するのは難しいです。
株式投資でも、不動産投資でも、資金が多い方が成功する確率は高まります。資金が多い方が分散投資をしてリスクも軽減できます。だから、安全かつ確実に資産運用を行うのであれば、より多くの資金を集めた方が有利です。
ここで、すぐにまとまった資金を用意できないと、ハイリスクハイリターンの投資に手を出して、一発で大きな儲けを得て、それを資産運用の元手にしようと考える人が出てきます。しかし、このような投資をする時こそ、より多くの資金が必要になることを知っておかなければなりません。すなわち、少ない元手しか用意できない20代の若者がハイリスク投資をしても、失敗して大きく損する可能性が高いことを理解する必要があります。
ハイリスク投資こそ試行回数を増やさなければならない
リスクとは、将来の不確実性のことです。成功するのか失敗するのかわからない投資はリスクが高い投資です。反対に成功する可能性が極めて高い、または失敗する可能性が極めて高い場合、リスクの低い投資となります。
失敗した時に大きく損することや失敗する確率が高いことをリスクの高い投資とは言いません。これを誤解している人が多いので、間違わないようにしましょう。
さて、成功確率が50%の投資があったとしましょう。成功した時には元本が2倍になって返ってきます。しかし、失敗した時には元本の20%しか返ってきません。この場合の期待収益率は、10%になります。
- 期待収益率=200%×50%+20%×50%-100%=10%
期待収益率が10%の投資なので、誰もが投資すべきだと判断するでしょう。しかし、1回の投資に必要な資金が100万円だった場合、この投資を実行できる人の数は少なくなるはずです。
今、1億円を持っている60代の方なら、この投資を100回行えます。これだけ試行回数が多いと期待収益率10%に近い投資成果を上げれる確率が高くなるはずです。もしも、50回成功し50回失敗した場合には、元本を合わせて1億1千万円が返ってきます。
- 回収額=200万円×50回+20万円×50回=1億1千万円
ところが、現在、100万円しか持っていない20代の若者の場合だと、最初の1回で失敗すれば20万円しか返ってこないので、これ以上投資をできません。運よく初回で成功すれば200万円返ってきますが、以後続けて2回失敗すると40万円しか回収できないので、この時点で次の投資ができなくなります。
上記の例を見ればわかるようように1億円持っている人と100万円しか持っていない人では、とれるリスクに差があるのです。当然、1億円持っている人の方が、成功確率が50%しかないハイリスク投資でも、試行回数を増やせるので利益を出せる確率が高まります。
20代で、まだ家庭を持っていないからリスクテイクしても問題ないという考え方は、実は間違っているのです。リスクテイクできるかどうかは、資本量によって決まることを理解できれば、若い時は期待収益率が低くても成功確率の高い投資を選ぶはずです。